【ラジオ】一人から、チームのお米づくりへ

農薬を使わない田んぼで、11回の草取り。それでもみなさん楽しそうに通い続けてくれています。お米づくりのチームが、楽しく、かつ深くを分かち合えるものであるために心がけていることや、仲間の提案からはじまる農耕儀礼「田褒め」についてお話しします。

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信州安曇野にて新しい時代の暮らし創りをする颯香が、天命と向き合うあなたへ、本音で、時にちょっと辛口に語ります。

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目次

みんなの工夫が集まり、続けたくなるチームづくり

一人から、チームのお米づくりへ

私は今年で、お米づくり3年目になります。まったくの未経験から始めたんですけれども、1年目、2年目ともに、自分一人では食べきれないほどの実りをいただきました。まだまだではあるんですけれども、お米づくりの一通りのことも分かってきたかなと思います。

1、2年目は、田植え、稲刈り、脱穀以外は、ほぼ一人で行ってきました。けれども、周りに「一人では難しいけれど、お米づくりはやりたい」という方が増えてきて、今年からチーム体制に移行しました。

4月にみんなで種まきをして、8月に穂が出て、来月には収穫を迎える今、9月です。ですので、この半年間の歩みや近況、それからチームをつくる上で工夫していることなどを、今回はお話ししてみたいと思います。

お米づくりで大切にしていること

まず、私がお米づくりで大切にしていることなんですけれども、お米づくりが担う役割は、食料の確保だけではないと思っているんですね。一つ目が、天地人の共同創造です。昔から日本人は、お米づくりを通して神々や自然と心を交わそうとしてきたんだと感じています。

そして、人の「結い」です。先ほどの天地人の共同創造が縦であれば、こちらは横のつながりですね。

お米づくりって、一人でやるものではないと思うんです。苗を植えるとか、けっこう地味な作業が続きます。でも、みんなでやるとすごく楽しい。人と人との関係を結んでくれるものだと思います。

これまでは、組合ですとか、親戚同士で協力することが多かったと思うんですけれども、そういった縁がなくても、想いの重なる仲間とお米づくりができたらいいですよね。これらの大切にしたいことを前提に、お顔の浮かんだ方にチームへのお誘いをしてきました。

「田守り会」というチーム

今回始まったチームを、「田守り会」と呼んでいます。田んぼを守ると書いて、「田守り」です。お米づくりを通して、天地人共同創造の舞台である田んぼを守っていくという主旨です。

集まってくださったのは10名弱で、全員女性です。子育てがあったり、仕事があったり、皆さん状況はさまざまです。

お米づくりを学んで実践したい、みんなで四季折々の営みを分かち合う暮らしをしたい、価値観の近い仲間との共同作業を大切にしたい。そういった想いの方が集まってくれているなと感じています。

収穫したお米は分かち合うんですけれども、収穫量の見込める田んぼではありません。また、労働の対価としてお米を受け取るという感覚は、このチームの主旨には合わないということは、あらかじめお伝えして、皆さんに集まっていただいています。

私たちは、田んぼに入るときに一礼をしたり、田んぼにご挨拶をしてから作業を始めたりしています。現代ではちょっと変わっているかもしれない、そういった姿勢に共感してくださっている方たちだなと思っています。

11回の草取り

この田守り会というチームでは、「全活動日のうち半分は参加できるように頑張ってみよう」という呼びかけで集まっていただきました。

正直、草取りあたりで飽きて、優先度が下がっちゃう方がけっこういるんじゃないかなと思っていました。けれども実際は、皆さんけっこう来てくださっています。

草取りって、農薬不使用でやりたいなら、けっこうボリュームのある作業なんですね。期間としては、田植えが終わったあとの1か月半くらいです。昨年まではほぼ一人でやっていたんですけれども、ほぼ毎日2時間くらいやっていました。合計すると、60時間は超えていましたね。

今年は草取りの日を決めて、11回活動しました。皆さん本当に順調に来てくださって、とにかく楽しい。そして、気持ちいい。

日ごとに成長していく稲に触れられる喜びを、かねがね分かち合いたいと思いながら、一人でやってきました。それが叶って、すごく嬉しかったですね。

私なしでも活動してもらえるように、段取りはしてきました。けれども結局、私も楽しくなってしまって、最優先ですべて参加してしまいました。

チームづくりで工夫したこと

このように皆さんが積極的に取り組んでくれていることについて、もちろん皆さんご自身の意欲があってこそなんですけれども、チームをつくるにあたって、前もって意識したり工夫したりしたこともあります。三つに絞って、お伝えしてみたいと思います。

まず、呼びかけの時点で、活動のボリューム感をあらかじめ伝えておくということをしました。1、2年目の作業記録から作業ごとの所要時間を計算して、このくらいの人数が集まってくださったら、この程度の活動時間になりそうです、ということをお伝えしていました。

お米づくりって、けっこう時間がかかるんです。でも、初めに知った上で、やるかやらないかを決めてもらうと、心づもりができますよね。

ですので、これからチームでお米づくりをしたい方には、作業記録をつけておくのはとってもおすすめです。スケジュールも、あらかじめ共有しやすくなります。

もう一つ、呼びかけ時点の心がけとして、一緒に過ごしてもらいたい人に来てもらいたいじゃないですか。なので、先ほどお話ししたような田守り会の意図を、はっきりと言葉にしてお伝えしました。その想いに共感してくれそうな方に、声をかけてきました。

単発参加の方を含めて、いつも「素敵だな」とお互いに感じるような方が集まってくれています。そして、皆さんが交流を楽しんでくださっている様子も伝わってきます。

迎える側が、「こういった場にしたい」「こういった方に来てほしい」という姿勢をはっきりさせておくことが大事かなと思っています。そうすると、自然と合う方が来てくれるんじゃないかなとも思っています。

そして、チームが始まってからのこととしては、お米づくりの知識を共有するように工夫してきました。例えば、畦塗りのような重労働でも、それによって水がためられることや、水を張ることによって草の管理が断然楽になることなど、背景が分かると、やる意義が分かって、やる気が湧いてきますよね。

それから、一口に穂が出るといっても、茎の中に穂が包まれている「穂ばらみ期」という時期があって、全体の中で先駆けて出る「走り穂」があります。全体の半分の穂が出ると「出穂期」と呼んで、7、8割出ると「穂揃い期」と呼びます。

そういった細やかな過程や名前が分かると、観察のまなざしが育まれて、より面白くなりますよね。私自身がそういったことが好きというのもあるんですけれども、その好きを共有して、楽しさに巻き込んでいきたいなと思ってやっています。

農耕儀礼「田褒め」

ここまで、私がチームをつくる上で心がけてきたことをお話ししてきました。活動を続ける中で、メンバーの方から新しい提案をいただくことも増えてきました。その一つ、「田褒め」という企画を紹介します。

旧暦8月1日。1日は「朔日」とも書きますね。「八月朔日」で、八朔。八朔の日は、今年は9月11日にあたります。

「田の実の節句」といって、日本で大切にされてきた節句なのだそうです。田んぼの実りで、「田の実(たのみ)」ですね。

現代では田植えが早まって、8月から稲刈りをする場合もあるんですけれども、昔のこの時期は、まだ収穫前になります。私たちの田んぼも8月に穂が出て、10月に刈り取りなので、今、近い心境です。

草取りが終わって、あまり田んぼに入る作業がない時期なんですけれども、稲にとっては、はらんだ穂を熟させていく、最も神聖で大切な時期でもあります。このタイミングに何かしたいと以前から考えていたところ、チームの方が、「田褒め」という農耕儀礼があることを教えてくれました。

田んぼや稲を褒めて、豊かな実りをお祝いする日です。私たちも田んぼで祈りを捧げ、お米の一生を思いながら、舞を奉納する予定です。

今の状況と展望

田褒めのほかにも、積極的な姿勢で関わっていただいていると感じています。例えば、道具のアイデアを出していただいたり、畦豆といって、田んぼの畦で小豆を育てる提案をしてくださったり、私に負担が集中しないような運営を考えてくださったり。そんな、チームでやる醍醐味を日々感じています。

同時に、まだ私がお伝えして動いてもらうという、一方通行の部分も多くあります。今後、役割分担をしたり、来年になったらチームの方に新しい方のサポートをしてもらったり、より主体的に動いてもらえるようなチームになっていければなと思っています。

そして今後、新たに自分で田んぼを始める方が出てきたら、最高だなと思います。私もこれまで、お米づくりをされている先輩方に、うんと支えられてきました。

自分でお米づくりをやっている方は、大切な作業の切実さをご存じなので、仕事を差し置いて私の稲刈りを優先してくださったり、涙が出るくらい、ありがたいサポートをしていただいてきたなと思っています。私の田んぼに収まるのではなくて、お米づくりを始める方をみんなで支えていく、輪郭のはっきりしないような大きなチームになっていったら理想だなと思います。

コミュニティは生き物のようなものだと思っていて、今後も私の意図を超えて進化していくのではないかなと思っています。皆さんとの関わりからの気づきや、考えたことを、今後もシェアしていきたいと思います。

先日、私のラジオに独り言で反応しながら聞いている、というお声をいただいて、とっても嬉しく、微笑ましく思いました。ご感想など、コメント欄やDMからぜひお聞かせください。

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颯香 / haruka uchida
新しい時代の暮らし創り
信州安曇野の山の麓で「祈り・まつり・芸術を中心とした暮らし」の輪を育んでいます。志は、祈りと野良仕事を通して、清らかな水源の地を守り、暮らしから千年先の人類の精神性に寄与すること。
目に見えない微細な波を感じ、セッションを提供したり、宇宙から受け取った6つの魂タイプ《むつたま》をお伝えしたり、インスピレーションから生まれたアート作品をお届けしたりしています。
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